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お好み焼き事典

お好み焼き事典

焼きそば

「粉もの」の中でも「焼きそば」は異色の存在とも言えます。その理由は、他の「粉もの」の多くと違い麺類であることと、広島風お好み焼きやモダン焼きなど他の「粉もの」とのコラボレーションが可能であることです。熱した鉄板で調理されるため、コラボレーションをするにも調理上の効率が良いことがその背景にあるのは明白です。最近では「B級グルメ」として町おこし・村おこしの目的で各地に「ご当地焼きそば」が増えてきており、焼きそばが日本人に広く愛されていることが伺えます。

日本で発展した「焼きそば」

日本で発展した「焼きそば」

一般に焼きそばと言えば、ウスターソースで味を付けた物を連想される方が多いでしょう。料理研究家の小菅桂子が1994年(平成6年)に著した『にっぽん洋食物語大全』には、"年配の中国人の料理人の中にはソース焼きそばを浅草焼きそばと呼ぶ人もいる"との記述があります。その上、昭和10年代(1935年~1944年)には浅草のお好み焼き屋には「焼きそば」なるメニューがあったことを見ると、現在のソース焼きそばの形は戦前にはすでに食べられていたことが推測できます。(以下、メニューによって「焼きそば」「焼そば」「やきそば」と表記が異なりますが、商品の公式な表記法を基準に記載します。)

戦後人気が広まった「焼きそば」

終戦後日本じゅうが食糧難に陥る中、アメリカの指導のもと、日本政府はアメリカから大量の小麦粉を支援されます。その小麦粉と安価なキャベツを使用して作る焼きそばが、広く食べられるようになったと考えられています。水分が多いキャベツによって味が薄まってしまうところをウスターソースによって濃い味付けにしたことが、人気に拍車をかけました。当時は屋台で売られる物が主流であったと言われています。

インスタント食品の出現

1963年(昭和38年)、日清食品から発売されたインスタント食品「日清焼そば」は、前年に発売された「チキンラーメン」の人気の影響もあり、爆発的に売れました。このヒット商品のおかげで家庭でもソース焼きそばが簡単に食べられるようになり、焼きそばそのものの人気もさらに高まっていきました。その後各メーカーからもインスタント焼きそばが販売されるようになり、さらには調味料メーカーにより焼きそば専用のソースも開発されました。

人気の定着と各地への広がり

こうして焼きそば人気は不動の物となり、日本で発展した軽食の代表的なメニューとなりました。今でも縁日やお祭りの屋台で戦前と同様のスタイルで売られていたり、家庭でも盛んに食べられていたりする点からも、その庶民性が伺えます。また近年においては、全国各地に「ご当地焼きそば」が誕生し、年齢や性別を問わず広く愛されています。

各地の「ご当地焼きそば」

ここでは代表的な「ご当地焼きそば」を紹介します。

横手焼きそば
秋田県横手市とその周辺で食べられており、片面焼きの目玉焼きが乗っていることが特徴です。黄身を崩し、茹でストレート麺と絡めて食べるのが美味で、「B-1グランプリ」で優勝経験もある名物です。
なみえ焼きそば
福島県浪江町のご当地グルメで、食べ応えのある太めの麺と濃厚なソースが魅力です。こちらも「B-1グランプリ」優勝メニューです。
糸魚川ブラック焼きそば
新潟県糸魚川市で2010年(平成22年)から販売され始めたメニューで、新潟県産のイカスミをふんだんに使用した真っ黒い麺が特徴です。お店によってトッピングが異なっているため、食べ比べる楽しみで人気があります。
富士宮やきそば
「B-1グランプリ」の初代・第2代の連続王者が静岡県富士宮市の「富士宮やきそば」です。蒸したあとに茹でず、油でコーティングをする独特の麺の製造工程により、他では味わえない強いコシが魅力です。ラードを絞った「肉かす」やイワシの削り粉が入っているのも特徴です。