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寿司屋事典

寿司屋事典

寿司屋の隠語

隠語とは、その店の職人やスタッフの間でだけ使用していた言葉のことです。寿司屋の隠語の中には「あがり」や「かっぱ」など、一般の人にも広く浸透している言葉も多数あります。しかし、基本的には隠語を堂々と使用するのはあまりマナーの良いことではないため、あくまでもひとつの雑学として楽しむのがベターです。

隠語の由来

隠語の由来

寿司屋で使用される隠語は、現在ではあまり耳にする機会は減ってきていますが、江戸時代から伝わる言葉が数多く残っています。

「弥助(やすけ)」=「寿司」

大正の末から昭和にかけ、寿司屋で出前を注文する人が増えた時代、男性は家に届いた寿司のことを「弥助(やすけ)」と呼んでいました。その理由は、歌舞伎の演目としても広く知られている「義経千本桜」に由来します。義経千本桜は、江戸時代に作られた浄瑠璃の作品ですが、三段目の幕開きは、釣瓶鮨(つるべすし)を買い求める客でにぎわう寿司屋の場面から始まります。その寿司屋には、源平合戦で滅びた平重盛の息子、平維盛がかくまわれており、里の娘に名をたずねられた維盛が「弥助」と名乗ったとのエピソードから、「弥助」が寿司を指す隠語として広まりました。ちなみに、「釣瓶鮨(つるべずし)」とはアユの寿司のこと。アユを酢でしめ、その腹に酢飯を詰めて釣瓶の形に似た桶に入れることからその名が付きました。

街の男性の間で広がった「弥助」の隠語は、戦後も寿司職人たちの間で使用していたようで、1963年(昭和38年)に発表された「江分利満氏の華麗な生活」では、寿司屋の主人が「弥助」と口にする場面が出てきます。

会計時には店員同士が隠語でやりとり

店員同士で客の注文内容や会計を伝えるため、数字をあらわす言葉にも寿司屋には独特の隠語が数多くあります。例えば、1を指す言葉は「ピン」、2は「リャン」、3は「ゲタ」、4は「ダリ」、5は「メノジ」など。1と2は麻雀で使用されている言葉がもとになっており、3の「ゲタ」は、下駄に穴が3つ空いていることから、5の「メノジ」は、「目」の漢字の画数が5画であることに由来しています。4は、カゴ引きの隠語であったという説や、トルコ語が変化したものという説があります。実際に使用するときはこれらの隠語を続けて言い、「リャンダリピン」では「241」という意味になります。

その他の隠語

あがり
粉茶(こなちゃ)や番茶を意味します。もとは花柳界(かりゅうかい/芸者や遊女の社会)の言葉で「最後のもの」という意味があり、食事の最後にお茶を飲むことから「あがり」と呼ぶようになりました。
あにき
先に使う材料や古い材料を指す言葉です。「さばいてから時間が経っている」という意味が込められています。
かっぱ
キュウリを意味する言葉として一般にも良く知られています。キュウリの切り口をかっぱの皿に見立ててそう呼んだという説や、かっぱの好物がキュウリであるという説に由来しています。
シャリ
すし飯を意味します。米粒の形がお釈迦様の喉仏の骨と似ていることから、その骨の呼び名である「舎利(シャリ)」と呼ぶようになりました。
なみだ
わさびを口に入れると、その強い刺激で涙が出ることから、わさびのことを「なみだ」と言うようになりました。
片思い
アワビを意味します。万葉集に収められている「磯のアワビの片想い」という歌の一節から、この隠語があてられたとされています。