ご希望の飲食店情報を無料で検索できます

文字サイズ

寿司屋事典

寿司屋事典

寿司に使用する「わさび」

独特の風味と鼻に抜ける辛みが特徴のわさびは、握り寿司には欠かせない存在です。わさびの辛み成分には強い殺菌作用が含まれており、寿司の腐敗防止とくさみ消しを目的として、江戸時代に握り寿司が誕生した当初から使われています。

殺菌作用と独特の風味が特徴

殺菌作用と独特の風味が特徴

冷蔵庫がない江戸時代、寿司の腐敗を防ぐ目的でわさびを添えるようになりました。また、わさびの風味によって、魚介の生臭さを解消するという利点もあります。

寿司ネタのおいしさを引き立てる名脇役

保存技術が進んだ現在においても、握り寿司にわさびは欠かせません。防腐と臭み消しという本来の役割は変わりませんが、最近では、寿司ネタのおいしさを引出すためのアクセントとして、わさびにこだわる店も増えています。

酸素と触れることで、辛み成分が発生

わさびに含まれる辛み成分は、そのままの状態では辛みを感じません。すり下ろすなどして空気に触れさせることで酵素が働いて活性化され、辛みが発生します。わさびに含まれる成分の多くは揮発性の成分のため、すり下ろしてから時間が経ち過ぎると、風味や辛みが飛んでしまいます。一方で、すり下ろしたばかりのわさびは風味が強すぎるため、すり下ろしたあと、適度な時間を置いてから使用する寿司店が多いようです。

すり下ろし方でも風味が変わる

わさびをすり下ろす際は、薬味用の金属製おろし器を使用する方法が一般的ですが、高級寿司店などでは、サメ皮を張ったわさび専用のおろし器を使用する場合もあります。サメ皮のきめ細かな凹凸を利用してわさびをすり下ろすことで酸素に触れる部分が多くなり、辛みが強いわさびになります。目の粗いおろし器を使用すると辛みがやわらぎ、甘みを感じるわさびになります。どちらにも利点があり、寿司ネタの種類によって使い分ける店もあります。

日本原産のわさびと、セイヨウワサビの違い

わさびは日本原産の植物ですが、欧米に自生する植物で、わさびの辛みや風味に似ていることから「セイヨウワサビ」と呼ばれる植物もあります。名前は似ていますが、日本のわさびとは別の植物です。セイヨウワサビは「ホースラディッシュ」とも呼ばれ、ローストビーフの薬味などに使用されています。日本においては、北海道などで野生化しており、そうした地域では日本のわさびの代替品として一般家庭でも使用されています。

チューブ入りわさびの多くはセイヨウワサビが原料

家庭用のチューブ入りわさびや、お持ち帰り寿司などに添えられている小さなパックに入った練りわさびの多くには、セイヨウワサビが使用されています。風味を加えるために、本わさびとブレンドした商品もあります。辛みが長持ちする粉わさびも、多くの場合はセイヨウワサビを原料にしています。

「本わさび」と「わさび」の違い

セイヨウワサビの広がりから、日本古来のわさびと区別するため、日本原産のわさびを「本わさび」と呼ぶことがあります。例えば、家庭用のチューブ入りわさびの品名を見ると、本わさびが50%以上使用されているものは「本わさび加工品」、それ以下のものは「わさび加工品」と表記されています。